FC2ブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
膵島移植再開!
2007年3月から国内で停止されていた膵島移植が再開になるというニュースが
日本膵・膵島移植研究会・膵島移植班のホームページにてリリースされています。

臨床膵島移植再開につきまして
http://square.umin.ac.jp/JITR/topics/1.htm


覚えていますか?3年前の狂牛病騒動。
これって、実は、食肉問題ばかりでなく、
日本の膵島移植の臨床研究をも大きく阻んでいたのです。

これが、この度、膵島分離に用いる製剤の原材料のBSE禍問題も完全クリアし、
年内にも臨床研究が再開される見込みとなったそう。

さらには、この3年の間に、
 ・術後の免疫抑制剤も副作用の少ない良いものが治験段階となった。
 ・膵島移植が高度医療(第3項先進医療)に認められる見通しも出て来た。
という、いい材料も出揃って来ました。

*こちら2010年11月1日付にて高度医療(第3項先進医療)に承認されたそうです。
 「重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する心停止ドナーからの膵島移植」



こうなりますと、患者さんにとりましては、
先進医療に係る費用以外については、一部、保険診療が適応されるということで、
費用的な面で、これまでに比べて若干敷居が低くなって参ります。

こうした背景状況の変化を後押しに、
今後、日本人での臨床研究も深くなっていくことと思われます。



膵島移植については、
2008年1月に京都大学の興津先生を熊本にお招きしてご講演いただきましたが、
その際の打合せでの雑談で、興津先生曰く、

「移植手術の技術については、もういきつくところまでいっていて、
 僕らがこれ以上やることはないんです。
 手術そのものは海外よりむしろ
 日本の方が精度が優れていると言っていいくらい。
 あとは、移植片の問題だけなんですよ。」

HuIsletTx01.jpg
膵島移植術中の興津先生(中央)
分離膵島が点滴バッグ内に残ることがないよう、滴下中(10~20分)はずっと、
このように注視しながらカテーテルに落とし、
肝臓の門脈の血管内に注入していきます。[写真提供:興津 輝先生]



カテーテルを介して門脈に注入された膵島細胞はそこで留まり、
移植から数週間かけて、膵島細胞内の毛細血管と、
肝臓から伸びてきた細血管とが吻合します。

そうすると、肝臓の中で血糖を感知して、それに見合ったインスリンを分泌する
~という膵臓の役割を、
膵島細胞が生着した肝臓の門脈が果たしてくれるようになります。

これをもって、「分離膵島が生着した」という状態となるわけですが、
日本ではこれまでに18人の方が膵島移植を受けられて、
全員の方に分離膵島の生着が認められています。

世界の膵島移植と成績、わが国における膵島移植と成績
http://square.umin.ac.jp/JITR/seiseki.htm


ただし、この内、インスリン完全離脱ができたのは3名のみ
なおかつ、この完全離脱が認められたのは、
1回の手術のみではなく3回の手術を受けた方のみ。

現時点では、望む成果を得るためには、複数回の手術、
即ち、たくさんの量の膵島細胞が必要な状態です。

にもかかわらず、日本では絶対的にドナーが少ない。
必然的に、ドナーから提供いただく
膵島細胞が絶対的に足りない。



要するに、残された課題は、
レシピエントにぴったりあって、
1回の移植で長期生着が可能な
イキのいい膵島細胞がどうしたらできるか、
・・・ということであります。

これに関しても、ここ3年で様々なアプローチでの研究が展開されていまして、
1型糖尿病患者のためのNPO法人日本IDDMネットワークさんでは、
基金を設け、こうした研究の助成を行っておられます。
これを見ると、現在、どんな研究が行われているかの一端が伺えますので、
興味おありの方は、下記資料御覧下さい。
 プレス発表資料
 http://www.saga-cs.org/IDDM/21010608press-release.pdf

 これまでの実績
 http://www.saga-cs.org/IDDM/kikin-jisseki.pdf


今後のさらなる臨床研究、再生医療領域での研究の成果が待たれるところです。


ちなみに、これも興津先生から伺ったお話なのですが、
日本では、膵島分離の技術に関して、
1つの膵臓から分離する膵島細胞の数が
海外に比べて桁はずれに多い技術を生み出したのだそう。

数少ないドナーから提供いただいた貴重な膵臓。
貴重だからこそ、極限まであますところなく使わせていただこう、という、
日本の‘もったいない’精神が産んだ技術といえましょうか。

日本の先進科学技術開発においてよく聞くエピソードではありますね。
逆境をプラスに変える日本の底力ってすごい!!
スポンサーサイト
【2010/09/13 08:01】 | 移植医療 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。