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高齢者疑似体験
さて、今回は午前中に行いました高齢者疑似体験について。

こちらは、高齢者糖尿病をテーマにとりあげた第7回研修会でも
実施したネタ
でありますが、
今回は、当ネットワーク世話人より
(1)身体可動域の変化
(2)ロービジョン+手指の感覚低下でのインスリン、SMBG手技、
(3)聴覚低下
についての情報提供と、
SMBGデバイス
国内3社のインスリン注射のデバイスをご用意させていただきました。


こちら、疑似体験、とはいえども、
その感覚はカルチャーショックに近いものがあります。

P1130109.jpg

アンケートでは、
 「高齢者の方の動きが鈍くなったり、不安に感じることが体験を通じてよく分かった。」
 「BSチェックやインスリンの手技がこんなにも難しくなるということがわかった。」
 「体験することで、援助する際の注意がよくわかった。」
 「改めて身体機能低下時の生活を考えることができたので良かった。」
といった意見をたくさんいただきました。

「テキストとして知っている」ということと
「自分の体感として知っている」ということは違うんだ、

というのがしみじみとわかるひと時であります。

これがわかりますと、アンケートにあった言葉ですが、

 「簡単と思っていたことが、そうではなく、患者さんの苦労がわかりました。
  ‘血糖を毎日測って下さい’ではなく、
  ‘血糖を毎日測定してくれてありがとう’へと気持ちがかわりました。」

といった“気付き”も出てくるわけで。

患者さんに対して、
「がんばってくれてありがとう」っていう気持ちで指導するのと、
「これくらい、やってあたりまえでしょ」っていう気持ちで指導するのでは、
受け手側には、天と地ほど気持ちが違ってきますし、
おそらく指導効果にもその差があらわれてくるのではないかと思われます。

P1130116.jpg

ここで、裏話として、身体障がい者センターで
この体験装具を返却した時のエピソードをひとつご紹介。



装具返却時の備品チェックを受けていたテーブルに、
いろんな形のスツールが置いてありまして。

備品チェックを待つ間、何とはなしに、
そのスツールを1つ1つ引き出して見ながら、ふと思い出して、

「そういえば、ご高齢の方が、椅子から立ち上がる時がつらいので、
 立ち上がりやすい椅子はないですか?って聞かれたことがあるんですけど、
 こういう椅子だといいんですかね?」

とセンターの指導員の方にお尋ねしたところ、
こんな会話に発展。

P1130098.jpg


「高齢者の場合だと、背中と両肘の3点で支えることが基本だから、
 こういったスツールは向かない。
 
 特に、これはそれぞれ個別の障がいにあわせて作った椅子だから
 健康な人が使っても座りにくいだけで。
 ただ、特定の障がいのある方には、すごく使いやすいものなのね。
 全部‘目的’が違うの。この‘目的’が大事だから。

 立ち上がりにくい、ということだと、
 こうしたスツールで足の位置を下げることを考えちゃいがちだけど、
 高齢者の場合には、足の位置を上げてあげた方がいい。」

「え?足を上げるんですか?どうやって??」

「足台を足元に置いてあげるの。
 そうすると、全然楽。
 これは、やってみるとわかるよ。
 気持ちから安定するから。

 あとは、その人がどういう生活をされていて、どういう動作をサポートしたいか。
 そこの目的がちゃんとわかってないとダメ。
 楽であればいい、ってそういう問題だけではないから。」

P1130110.jpg

「あ、そうか。一人一人違うから、一律にはいえないですよね。」

「そう。だから、我々がすべきことは、
 まず、その人の今の身体の状態を科学的にとらえて、
 ここがこうだから、こうなってるんだよ、ってわかるように説明してあげて、
 そこで、これからどうしたら、どこまで出来るようになるかを説明して、
 相手に伝えること。

 それが相手にちゃんと伝われば、相手の機能回復や筋力維持ができる。
 こちらがやって欲しい事って、本人さんにとっては楽なことばっかりじゃなくて、
 ツライ事だから。」

「そうですよね~。納得がないと続かないですよね。」

「そこが伝わらないと意味がない。
 伝えるためには、まずこちらが相手をちゃんと理解しないと。
 そこで相手のことをしっかり理解すれば、その気持ちが伝わる。
 こちらの気持ちが伝われば、相手も、つらくても頑張って続けられるし、
 変な話、例えばそれで何かトラブルが起こっても、大きな問題にならないのよ。」

「信頼関係、ということですね。」

「そう。科学的な解析と、相手の気持ちをしっかり理解すること。
 それをやっていく過程で、心が伝わることが大事。
 この体験装具だって、体験した、それだけじゃダメで。
 相手の気持ちがわからないと何も意味ないのよ。
 じゃないと、何も伝わらないから。伝わることが大事」

P1130103.jpg


・・・と、こういう会話がありまして。

ちょっと、深イイ話っしょ?!

期せずして、今回のセミナーの研修内容の総括ともいえるお話だったので、
皆さんにもぜひ、お伝えした~いっっ!!!!
・・・ということで、ここでご紹介させていただきました。
 
相手を「知って」、気持ちが「変わって」、
そこで、はじめて相手に「伝わる」んですね。


きっと研修会を終えた参加者の皆さん、今頃は、
現場で相手に「伝わる」感覚を体感してらっしゃるのではないかな、
と思ったり。

いかがですか??
 


アンケート中には、
「体験装具は、介護実習センターにあるものと違いますね」
との指摘もありましたが、流石にご明察!

実は、前回の研修会時には、
介護実習センターにもあったと思われる
ノーマルな高齢者疑似体験セットを借りてやりましたんで、
今回は「片麻痺の」高齢者疑似体験セットを借りてきた次第です。

前回ご参加の方には、その違いも感じていただけたかと。

こうした麻痺のある方の特異な重心移動については、
太田先生のレクチャーでしっかり理解いただけたと思います。

P1130092.jpg


今回、思い切って2時間枠としましたが、
それでも、アンケートでは、
  「午前中の疑似体験の時間がもう少しあればよかった。」
  「全員が体験できなかったので、全員でできると良いと思いました。」
という意見があがっておりまして。

残念ながら、体験できなかった方には、
ぜひ、所属施設の職員研修で体験学習、やってみられませんか?

全国各県の身体障がい者センターでは、
こうした高齢者疑似体験学習が企画されておりまして、
今回のように、体験装具の貸し出しは勿論、
出張体験講座もありまして、
センターの指導員の方が詳細解説の元での体験も可能です。

なおかつ、これ、すべて無料、であります。
この社会資源、活用しない手、ありません!!

実際、自分の施設の外来の動線を
この体験装具をつけて動いてみられると、
誘導の際の注意点や、
さらなるアプローチのポイントが見えて来るのではないかと。

ぜひ、お試しあれ!!


熊本県障がい者福祉センター>疑似体験
http://www.normanet.ne.jp/~ww101616/giji.html
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【2011/12/29 08:40】 | 高齢者の糖尿病 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
糖尿病と聴覚
「モスキート音」ってご存知でしょうか?

大人になると聞こえなくなるけれど、
子どもには耳障りで不快に聞こえる高周波数の音のことです。


2005年、イギリスの会社が、17,000Hzの高周波数の音を鳴らす機械を製作、
商品名を「モスキート」と名付け、
これを鳴らせば、店先や駐車場などでたむろする若者を撃退できる!
~とのふれこみで発売しはじめたのが名前の由来となっているようです。

若者を撃退するために開発されたこの「モスキート」、
発売翌年の2006年には、これを携帯の着信音にすると、
授業中、先生にばれることなく携帯のやりとりができるというので、
アメリカやイギリスの若者達の間で大流行。
この皮肉な顛末に、この年、「モスキート」がイグノーベル賞を受賞したんだとか。




人間の聴覚は、およそ20Hz から2万Hz までの音を聞くことができるそうです。
周波数ごとの主な音はこんな感じ。
 
   20Hz
   27Hz   ピアノ(88鍵)の最低音
   440Hz  赤ちゃんの産声
   500Hz  男性の声がこの辺
   440-880Hz  時報の「ピッ・・ピッ・・ピッ・・ピーン」の周波数
   770-960Hz  救急車のサイレン
   1000Hz  女性の声がこの辺 
   4,000Hz   言葉の聴き分けをするにはこの辺まで聞こえればOK
   4,186Hz     ピアノ(88鍵)の最高音
   16,000Hz   シンバルの最高音
   20,000Hz



「電話の周波数帯は、人間の声の高さを基準にしているためにおよそ300Hzから3,400Hzの間です。
 一方、鈴虫の鳴き声はおよそ4,500Hz、人間よりもかなり高いために、
 電話で鈴虫の声を聞くことはできないんですよ。」

・・・な~んて、「相棒」season8の第2話で右京さんも言ってましたが(笑)



この人間の可聴周波数20~20,000Hz全部が聴こえるのが、実は10歳前後まで。
それ以降は、加齢に従い可聴周波数は徐々に低くなって行きまして、
高い音が聞きづらくなる、かつ、音が小さく感じるようになります。

要するに「耳が遠くなる」という現象です。

で、20代半ばから30代になりますと14,000Hzあたりから聞こえなくなる。
この辺あたりからがモスキート音の世界といえましょう。


さて、このモスキート音、どんな音か聴いてみたいですよね。

これ、提供してくれてるフリーソフトがあるんです。
未体験ゾーンのモスキート音をこちらのソフトでcheck it out!
可聴周波数域チェッカ
http://masudayoshihiro.jp/software/mamimi.php



皆さん、どこまで聴こえました??

ここで14,000Hz以上のモスキート音、聴こえなかった方には悲しいお知らせですが、
今回の人生でモスキート音聞くことはかないません。あしからず(笑)

一般的な聴覚検査の高音域チェックリミットは8,000Hzだそうでして、
モスキート音が聴こえないからといって
日常生活に特に支障が生じることはないので、とりたてて心配はいらないのですが、
実は誰もの身体に‘老い’は確実に忍び寄っている、
‘老い’は決して患者さんだけのものではない、ということがじんわり実感できますよね。

この聴覚における‘老い’にも、もちろん個人差がありまして、
早い人だと40代超えた時点で、4,000Hzが怪しい、という状態になるんだとか。

ここでさらに、糖尿病教育に携わる人間として押さえておきたいことが一つ。

2007年6月の米国糖尿病学会で
「糖尿病がある人は会話で使う4レンジの周波数(500、1,000、2,000、4,000Hz.)のテストで、健常者の2倍の人が成績が悪かった。」
という発表があっているのです。

詳細な仕組みがわかっているわけではありませんが、統計調査データとしては、
健康な方に比べると糖尿病の方に感音性難聴が多い~という現実があるようです。

糖尿病教育を行う上で、
患者さんとの『コミュニケーション』を大事に仕事しようと思うならば、
この辺の情報も、頭に入れておくべきかと。




例えば、最近、季節性インフルエンザの予防接種で「体温はかってください。」なんて、
待合室で患者さんに電子体温計を渡したりしませんか?

この電子体温計のピピッピピッという音。 
これが、実は4,000Hzなんです。

先ほど、早い人は40代超えた時点で4,000Hzが怪しい~と書きました。

となりますと、当然、高齢者の方達は、この電子体温計の音、聴き分けが難しいんです。
加えて、糖尿病歴の長い方であれば、
実は聴き分けできてない可能性大
・・・ということになります。

こういう状況、もちろん、メーカーさんは把握されてまして、
数年前に、JIS規格では、この電子体温計の音を2,500Hzにしましょう、ということになってます。
最近みかける「ブザー音でお知らせします」~っていう商品がこれですね。
より注意を促せるように、高音(4,000Hz)と低音(2,500Hz)を交互にピポピポッとならす、
という工夫がされてるものもあります。

ただ、これも善し悪しでして、
この2,500Hzになりますと、人の声の周波数とかぶってきますから、
周囲の音にかき消されやすい。

となると、待合室なんかで測定する場合には逆に聞き取り難くなってしまう事もあります。

というわけで、電子体温計をお使いの医療機関の方。
ご高齢の方、糖尿病歴の長い方には、体温計を手渡す時に、
体温計の測定時間の目安をひとことお伝えしておくとよいかな、と。


電子体温計って、おおよそ25~40秒で予測測定値が出ましてピピッとなります。
で、そのままはさんでますと、約10分後に再度ピピッと鳴りまして実測定値が出る
システムになっています。

ですので、1分脇にはさんでたら、確実に予測測定値は出てますんで、
「待合室だと音が聞こえにくいかもしれません。
 その時は1分たったら見てくださいね」

と、一言添えていただけると患者さんも安心じゃないかと。





ささいな事ではあるんですが、
いざ聞こえないという現実に直面すると、人間、やはり不安になりますし。
実際、この電子音が聞こえないことに非常に落胆される患者さんもいらっしゃいますし。

この気持ち、さっき、モスキート音が聴こえなかった自分の微妙な気持ちを思いおこせば
・・・わかりますよね。



さらには、可聴周波数の低下がすすみますと、
高い音が聴こえなくなるために、いきおい低い音に神経が集中します。
そのためドアの開く音とか車のエンジンの音、足音、冷蔵庫のモーター音などといった
低い周波数の物音に非常に鋭敏になる~という特性もあるそうです。

耳が遠いお年寄りが、こういった音を執拗に気にされる状況、
入院病棟などで遭遇したりしませんか??



この可聴周波数の低下は、多くの場合‘老化’によるものであって、治るものではありません。
身体の変化をあるがままに受け止めて、うまくつきあっていくしかありません。

このような‘老化’への不安を取り除き、
慢性的な症状とうまくつきあっていけるよう ‘安心感’ をもってもらうことも
慢性疾患で長いおつきあいにならざるを得ない糖尿病の
かかりつけ医で勤務する医療スタッフにあっては、
大事なお仕事ではないかと思います。



知識があれば、配慮や説明ができます。
配慮や説明があれば、患者さんの不安もやわらぎます。
当然、信頼度もup!

・・・というわけで、以上、患者さんの血糖コントロールを良くする情報ではありませんが、
患者さんとのコミュニケーションを良くする情報として、ぜひ、ご活用ください。






【2009/10/30 00:38】 | 高齢者の糖尿病 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
高齢者体感プログラム「うらしま太郎」
8月11日に第7回目の研修会を終了しました。
今回は「高齢者糖尿病」がテーマということで、企画段階で
「白内障とか体感できる眼鏡って借りれないかな~」
「今、UD体験とかあるじゃないですか~」
という某世話人のオーダーにより、ネットでググりましたところ、ありました。
その名も高齢者体感プログラム「うらしま太郎」
インターネットの検索サイトってつくづく有り難いですね~。

で、早速、そのサイトの管理者である熊本県の総合政策局 企画課 特定政策推進室に問い合わせてみたところ、借用可能との事。
ただしそこにはセットが2つしかなく、「熊本県身体障害者センターであればたくさんご準備できるみたいです」~と教えていただきまして、熊本県身体障害者センターへコンタクト。
最終的に、熊本県身体障害者センターで在庫総ざらいの14セットを拝借しまして研修会で利用させていただきました。

そして迎えた研修会当日。

参加者全員、医療従事者として、高齢者の身体的特徴や運動生理の知識はあるものの、実際セットを装着して疑似体験すると、知識と感覚の乖離に愕然とします。
高齢者体験する研修会参加者

まず「視野が狭い」。参加者アンケートでは、これが一番驚いたとの反響がありました。足元や周囲がみずらい。横から声をかけられても誰だかわからないし気付きにくい。歩行中、目の前に椅子があっても気付かないで足をすすめてしまう。

そして「円背」。爪先に重心がかかるのですり足になる。ちょっとの段差でもつまづきやすい。こうなると杖は必須!この爪先への偏重によって足病変で問題になってくるハンマートウができあがるんだな~と実感。

さらに「関節稼働域の制限」。とにかく動きづらい。椅子に座る、立ちあがるといった何気ない日常動作がとてもつらい。階段の昇り降りなどは「怖い」という感覚すら抱きます。

当日は、セットを装着してのSMBGなんかも体験していただきましたが、会場のあちこちから「え~?!」「うわ~っっ!?」「できない!」などの声があがりまくっておりました。

「高齢者には正直言ってゆっくりとした動作や、出来ない事でがっかりしたり、イラッとする事がたまにありました。実際体験して、これからはやさしい目でみられるようになると思います。」とアンケートに書いていた方がおられましたが、本当に、体験してみないとわからない事ってありますよね。こうした高齢者の置かれた状態が実感として理解できれば、自然と教育アプローチや教育資材のチョイスも変わってくるはずです。
まず、この状態にある方に口頭説明だけで「ちゃんと自分でフットケアやってくださいね」なんて無情なことは言えませんよね。
その意味でこの高齢者体験、医療者たるもの must な経験だと思います。

この高齢者体験セット、熊本県身体障害者センターで事前講習を受ければ誰でも借用可能ですし、センターで専任の講師からプログラムを受講することもできます。
未体験のスタッフ諸氏。職員研修などでぜひ一度、お試しあれ!


orzな後日談・・・

今回、借用した高齢者体感セットの返却時、内1セットの肘サポーター内に入ったプラスチック板がぽっきり2つに割れていることが判明。
修理費用2,100円。ネットワークにて弁償いたしました(涙)

教訓:はしゃぎ過ぎにはご用心。
【2007/08/15 10:50】 | 高齢者の糖尿病 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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